【背景・目的】
タイヘイ薬局しろいし店では、数年前よりお薬ノートの普及に努めてきた。しかし、患者様の中にはお薬ノートを忘れて来られる方や持っていないという方もまだ多く、お薬ノートの持参率100%ではないのが今の現状である。服用されている薬が変更になった時や、新規の薬が出た時など、お薬ノートを忘れて来られた患者様には飲み合わせを確認するため医療機関などに問い合わせを行い、薬をお渡ししている。そのため、患者様の待ち時間が長くなり、ご迷惑をかけていることが多い。そこで、お薬ノートを毎回持参してくれる患者様を増やすことを目的に以下の取り組みを行った。
【方法】
お薬ノートの持参率を上げるためには、お薬ノートの重要性を患者様に認識してもらう必要がある。そこで、投薬時にお薬ノートの簡単な説明や、お薬ノートを所持していたために災害時などにおいて命が救われた話などを行い、お薬ノートの持参を呼び掛ける。また、薬局内でのポスター掲示や、お薬ノートに関する簡単な説明書を渡し、視覚的にお薬ノートの重要性を患者様に訴える。さらに、お薬ノートを病気の治療本とし、外出時など常に所持してもらうことが重要である。そこで、疾患の情報や薬の正しい飲み方・使い方などを簡単に説明した文書をお薬ノートと一緒に添付することを行った。
【結果及び考察】
薬局内で様々な取り組みを行った結果、患者様のお薬ノート持参率は大幅に増加した。そして、私たち薬剤師は患者様が服用中の薬をその場で確認し、薬をお渡しするまでの時間も早くなり、患者様の待ち時間の負担を軽減することができた。また、薬の飲み合わせによる重複や相互作用を未然に防ぐことができた。このような取り組みの一つ一つが、薬局全体の業務の効率化および患者様の健康を守ることにもつながっていると思われる。
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